重要なポイント
- 独立により、インテグレーターやシステム設計者のニーズを中心に据えたBose Professionalの再構築へ。自らの方向性を定め、未来に向けて進むための新たな体制。
- 新たな企業体制の構築に向けた挑戦。お客様へのサービスを継続しながら、グローバルな事業運営体制、システム、各機能を一から築き上げる取り組み。
- 新たなリーダーシップ体制による進化。より柔軟で迅速な対応力、エンジニアリング力の強化、製品開発スピードの向上。
- 世界各地に広がる新たなオフィスやExperience Center、ボストン本社新社屋の設立。お客様とBose Professionalのソリューションをつなぐグローバルな拠点を構築。
- お客様を中心に据えた、現場視点の文化。商業AV市場の声を起点に、製品、ツール、そして体験価値を創り出すための新たな考え方。
2023年、Bose Professionalは正式に独立した企業となり、ブランドにとって、そしてプロオーディオ業界全体にとって、新たな章の始まりを迎えました。50年以上にわたる革新の歴史を受け継ぎながら、インテグレーター、コンサルタント、システム設計者のニーズに改めて向き合うことで、Bose Professionalは現在、AV市場のために設計されたブランドとは何か、その新たな姿を築いています。
これは単なるブランド変更や組織再編ではありませんでした。事業の中核機能をゼロから構築し、新たなグローバル体制を拡大しながら、組織文化そのものを内側から変革していく、全面的な進化でした。
「私たちには、50年にわたる革新の歴史があります。一方で、スタートアップのような柔軟性と行動力を持って取り組むことができます」とCEOのJohn Maierは語ります。「これは企業にとって非常に大きな機会です。」
事業部からの独立:一部門から独立した企業へ
数十年にわたり、Bose ProfessionalはBose Corporationの一部門として事業を展開してきました。高い評価と認知を得ていた一方で、より大きなコンシューマーエレクトロニクス事業の一部に位置づけられていました。チームは確かな成果を生み出してきましたが、事業運営における自由度には限りがありました。
そして2023年に変化が訪れました。
「Bose Professionalが独立した際、知的財産や、エンジニアリング、製品開発、営業、マーケティングの中核チームは引き継がれました。しかし、財務、人事、オペレーション、法務、ITといった機能は新たに構築する必要がありました。つまり、事業を運営しながら、同時に会社そのものをゼロから築き上げていく必要があったのです」と、マイヤーは語ります。
言い換えるなら、「飛行機を飛ばしながら、同時に機体を組み立てていく」ような挑戦でした。
事業基盤の構築:迅速な立ち上げ
この変革には、事業運営体制全体の抜本的な再構築が必要でした。チームは、グローバルな販売網の構築、新たなERPシステムやリセラーポータルの導入、さらに新たな物流拠点の整備を進めました。米国では主要拠点をアリゾナ州からジョージア州へ移転するなど、大規模な変更を行いながらも、日々の事業運営を止めることなく進めていきました。
財務、IT、人事、収益管理といった新たな部門も、コンシューマーエレクトロニクス企業ではなく、B2Bプロオーディオ企業としてのニーズに合わせて構築されました。
「私たちは、より機動力があり、協力を重視したアプローチへと進化しました。市場投入までのスピード、顧客体験、そして商業空間の音響設備市場へ注力しています」と、マイヤーは語ります。
新しいリーダーシップ、新しい文化
この移行にあたり、新たな経営チームを編成しました。長年Boseで培われた経験を持つメンバーと、オーディオ業界の内外から迎えた新たなリーダーを組み合わせた体制です。その一員として、エンジニアリング担当VPとしてKenn LeGaultが加わり、研究開発体制の再構築とさらなる強化を推進しました。
「私にとって、これは両方の良さを兼ね備えた環境です。長年培ってきた歴史と豊かなレガシーがある一方で、スタートアップのような柔軟性とスピード感を持って変革に取り組む機会があります。エンジニアリングチームの一部を再構築し、新たな人材を迎え入れることもできました。非常に刺激的な経験です」と、ルゴーは語ります。
グローバルな成長と、世界規模で広がる体験
グローバル展開も拡大しています。2024年には、シンガポール、上海、東京、ドバイ、ロンドン、アムステルダムなどの都市に、12の新たなオフィスとExperience Centerを開設しました。さらに2025年初頭には、米国マサチューセッツ州ボストンに新たなグローバル本社を開設。専用のデモルーム、トレーニングスペース、エンジニアリングラボを備えた、Bose Professionalの未来を支える拠点となっています。
「これらの拠点によって、コンサルタント、インテグレーター、システム運用者といったお客様が、私たちのソリューションを実際に見て、体感しやすくなります。現場に根ざしたつながりを生み出すための空間づくりこそ価値があると信じているからです」と、マイヤーは語ります。
製品パイプラインの再構築
社内では、製品開発プロセスの再構築にも取り組みました。より迅速で、協力体制を重視し、お客様のニーズを起点とした開発へと進化させています。中でも大きな変化のひとつが、これまで外部に委託していたソフトウェア開発を社内体制へ移行したことです。
「私たちは、今後数年にわたって成果につながる長期的な取り組みにも積極的に投資しています。また、チーム体制をよりシンプルで効率的なものにしたことで、開発や改善のサイクルをこれまで以上に速めることができています」と、ルゴーは語ります。
こうした取り組みの成果として、2023年の独立以降、40を超える新製品を市場に投入しています。
「私たちは単に新製品をリリースしているだけではありません。導入や運用のプロセスそのものを、よりシンプルにしています」と、プロダクトマネジメント担当ディレクターのShawn Wattsは語ります。「システムの調整・設定からエンドユーザー向けのトレーニングまで、お客様が抱える負担や課題を取り除くことに取り組んでいます。」
企業文化の変革:お客様起点、外部視点のアプローチへ
最も大きな変化のひとつは、企業文化そのものです。独立した企業となったBose Professionalは、コンシューマー市場と商業AV市場の両方に対応するのではなく、現在は事業の核となる領域に集中しています。その中心にあるのは、コンサルタント、インテグレーター、そして彼らが現場で直面するさまざまな課題です。
「大きなコンシューマー事業の4%を担う存在ではなく、私たちは100%プロオーディオ企業そのものです。その明確な方向性が、大きな違いを生み出しています」と、メイヤーは語ります。
その方向性を維持するため、Bose Professionalはカスタマー・カウンシルの設置、社内フィードバック体制の見直し、そして世界中のインテグレーターとの対話強化に取り組んでいます。
「私たちは、社内から外へ向けた視点ではなく、外部の声を起点とするアプローチへと転換しています。それは、インテグレーターが実際にどのように仕事をしているのかをより深く理解し、その現実に合ったソリューションを設計することを意味します」と、ワッツは語ります。
今後の展望
現在、Bose Professionalは自らの未来を主体的に切り拓いています。製品開発や価格設定から、市場展開戦略に至るまで、すべての領域で自主性をもった事業運営を行っています。
「私たちは、より迅速に行動し、より明確な目的意識を持って取り組んでいます。そして、日々私たちのシステムを使用する方々に、より近い存在になっています」と、マイヤーは語ります。
独立から2年を迎えた今、Bose Professionalは新たな成長フェーズへと進んでいます。長年培ってきたエンジニアリングの強み、グローバルな展開力、そしてお客様を起点とする姿勢が、これまで以上に強く結びついています。
「私たちには、確かな基盤がある。優れたチームがあり、明確な方向性がある。今こそ、未来を築くときです」と、マイヤーは締めくくります。
そして、Bose Professionalを信頼し、共に歩むコンサルタント、インテグレーター、パートナーの皆様にとって、その未来はすでに、より良い音として形になり始めています。
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