Fulcrum Acoustic がBose Professional ファミリーの一員に

本日、皆さまに嬉しいお知らせがあります。Bose Professionalは、高性能スピーカー、アンプ、そしてイマーシブオーディオシステムを手掛けるマサチューセッツ州拠点のFulcrum Acousticをファミリーに迎え入れました。

地図でみれば、私たちの本社からすぐ近くのマサチューセッツ州ホイットンズビルで、Fulcrum Acousticはスピーカーの設計・製造を行っています。その拠点は、私たちの本社があるホプキントンから車で約30分、わずか数十キロしか離れていない場所で、私たちはそれぞれ異なるアプローチを取りながらも、「難しい音響空間でも、本来あるべき音を届ける」という共通の課題に向き合ってきました。

Fulcrum Acousticを築き上げた理念

Fulcrum Acousticは2008年、Stephen Siegel、Dave Gunness、Chris Alfieroの3名によって設立されました。その原点にあったのは、当時としては革新的な考え方でした。それは、デジタルシグナルプロセッシングを、開発の最後に加えるものではなく、最初の設計段階から不可欠な要素として捉えるという発想です。Fulcrum Acousticでは、すべてのスピーカーを、その信号処理と一体で設計しています。このアプローチにより、指向性、サイズ、効率、音質といった性能を、従来であれば何かを犠牲にしなければ両立できなかった要素の間で妥協することなく、より高いレベルで最適化できるようになりました。

この理念は、現在約130製品におよぶFulcrum Acousticの製品ラインアップ全体に反映されています。その多くは、Dave Gunness自身が設計を手掛けたものです。 その理念は、音を一つの点から放射する同軸スピーカーにも反映されています。また、追加のアンプチャンネルを必要とすることなく、ステージや壁面への低域エネルギーを抑制する特許技術「Passive Cardioid Technology」にも受け継がれています。さらに、Gunnessが以前から取り組んできたスピーカーの過渡応答に関する研究を基に生まれた「Temporal Equalization(TQ)」にも、その思想は息づいています。TQは、高精度なDSPフィルターによって時間領域と周波数領域の特性を補正し、より忠実な音の再現を実現する技術です。

その成果は、音響設計が最も難しい空間でこそ実感できます。残響の多い礼拝施設、歴史ある劇場、近隣への配慮が求められるスタジアム、ナイトクラブ、パフォーミングアーツセンターなど、さまざまな場所でFulcrumの技術が活かされています。2026年のFIFAワールドカップでは、ヒューストンのNRGスタジアムで1,000台以上のFulcrumスピーカーが会場の音を支えました。また、Rose Bowlのメイン音響システムにもFulcrumが採用されています。

左から:ジョン・マイヤー(Bose Professional CEO)、スティーブン・シーゲル、デイブ・ガネス(Fulcrum Acoustic 共同CEO)

両社がともに描く未来

業界で、スピーカー分野において最も革新的で興味深い取り組みをしている企業はどこかと尋ねれば、Fulcrum Acousticの名前は頻繁に挙がります。その評価を支えているのは、卓越したエンジニアリングだけではありません。徹底したリサーチを起点に、細部まで妥協せず、そして特に音響設計が難しい空間で理想的な音を実現してきた、彼らの仕事への姿勢そのものが、その信頼を築いています。

Dave Gunnessは最近、こんな言葉を語っていました。「私たちの役割は、お客様が必要とする企業であり続けることです。」(これは私たちの言葉ではなく、Dave自身の言葉です。でも、その言葉が意味することは、私たちも深く理解しています。)

その仕事への向き合い方は、2023年に独立して以来、Bose Professionalが築いてきた企業文化とも重なります。それは、プロオーディオを設計し、導入し、日々活用する人々を中心に据えて再構築してきた組織であり、優れた製品は、細部にまでこだわりを持つチームから生まれるという信念に基づいています。Fulcrum Acousticと向き合ったとき、私たちはそこに同じ信念が実践されていることを感じました。そして、それは私たちがこれからさらに力を注いでいきたい空間や領域において、大きな意味を持つものです。

「私たちは長年にわたり、Fulcrum Acousticを高く評価してきました。もちろん、その優れた製品だけではありません。お客様体験に向き合う彼らのチームの姿勢にも、大きな敬意を抱いています」と、Bose Professional CEOのジョン・マイヤーは語ります。 「Fulcrumは、誠実な姿勢でプロフェッショナルオーディオ業界において最も信頼されるブランドの一つを築いてきました。その理由は、優れたエンジニアリングだけではなく、常にお客様に寄り添い、期待に応え続けてきた姿勢にあります。これから私たちが果たすべき役割は、Fulcrumの特別な価値を守りながら、Bose Professionalのグローバルな規模と力を最大限に活かし、より多くの世界中のお客様に、このチームが生み出す価値を届けていくことです。」

Fulcrumのお客様にとって、この変化が意味すること

継続性。今日からも、Fulcrum Acousticはこれまでと変わらずFulcrum Acousticであり続けます。ブランド、製品、そしてそれらを支えるチームは、そのまま受け継がれます。現在進行中のプロジェクトも、そのまま継続され、これまでと同じサポート体制を通じて対応していきます。設計と製造も、引き続きホイットンズビルで行われます。

変わるのは、ブランドを支える基盤です。Fulcrumはこれから、Bose Professionalの規模、リソース、そしてグローバルな販売網を活用できるようになります。目指すことはシンプルです。Fulcrumのスピーカーを世界中のより多くの人に届け、そしてチームがこれまで培ってきた仕事に、さらに力を注げる環境をつくることです。

Bose Professional のお客様にとって、この変化が意味すること

私たちのポートフォリオは、より高いパフォーマンスを追求する方向へと広がっています。Fulcrumは、音の指向性制御、出力性能、音質が特に重要となる空間において、約20年にわたる専門知識と経験を培ってきました。スタジアムやアリーナ、劇場やパフォーミングアーツセンター、礼拝施設、クラブといった空間に加え、イマーシブオーディオやアクティブアコースティクス技術によって、新たなプロジェクトの可能性も切り拓いています。進化を続けるBose Professionalのエコシステムと、拡充を続けるソリューションポートフォリオは、Fulcrumの製品群が加わることで、さらに大きな価値を提供できるようになります。

「最初の対話の段階から、Bose ProfessionalがFulcrumとは何か、そして私たちの強みがどこにあるのかを深く理解してくれていることが分かりました」と、Fulcrum Acoustic共同創業者兼プレジデントのStephen Siegelは語ります。 「お客様がFulcrumを選んでくださる理由は、私たちのエンジニアリング、ものづくりへのこだわり、そして自分たちの仕事に責任を持って向き合う姿勢にあります。それらは、これからも何一つ変わりません。これからは、私たちだけでは実現できなかったスピードで、この仕事の価値を世界中のお客様に届けていくことができます。」

「私のキャリアを通じて、ずっと同じ課題に向き合ってきました。それは、物理の常識では実現できないはずの振る舞いを、スピーカーで実現することです」と、Fulcrum Acoustic共同創業者のDave Gunnessは語ります。「その取り組みは、これからもホイットンズビルで続いていきます。そして、何年もの間ノートに書き留めながら温めてきたいくつかのアイデアが、今、実現できる可能性を持つようになりました。」

長い旅への新たな一歩

Bose Professionalはこの3年間、独立企業として新たな歩みを築いてきました。新たなリーダーシップ、新しい仕組み、そしてプロオーディオが実際の現場で果たす役割への、より明確なフォーカス。そのすべてが、私たち自身を再構築する取り組みの一部でした。Fulcrumは、その歩みの中で初めて迎えた仲間です。これは、同じ価値観を共有する仲間とともに進む、私たちの変革における意図的で重要な一歩です。

来年初め、その歩みは新たな節目を迎えます。Bose Professionalは802 LABSへと生まれ変わります。Fulcrum Acousticもまた、その未来の一員となります。なぜなら私たちは皆、「素晴らしい音は、細部にまでこだわる人々によって生み出される」という同じ信念を共有しているからです。

今日から、その未来を私たちは共につくっていきます。

よくある質問

Fulcrumブランドはなくなりますか?

いいえ。Fulcrum Acousticは、これからもFulcrum Acousticであり続けます。ブランド、製品、そして皆さまに信頼いただいているチームは変わりません。将来的には、Fulcrumは新たな企業グループの中で、高いパフォーマンスが求められる製品群を担うブランドとして、より幅広いプロオーディオソリューションを提供していきます。

現在進行中のFulcrumプロジェクト、見積、サポートに変更はありますか?

いいえ。現在進行中のプロジェクトはそのまま継続され、既に提示されている見積もりも有効です。サポートについても、現在ご利用いただいているものと同じ窓口・担当者を通じて引き続き提供されます。

現在、Bose Professionalの販売店からFulcrum製品を購入できますか?または、Fulcrumを通じてBose Professional製品を購入できますか?

現時点では、まだ変更はありません。現在は、それぞれの会社が既存の販売チャネルを通じて、自社製品の販売とサポートを継続しています。最終的には、1つのパートナーを通じて、包括的な製品ラインアップを提供できる体制を目指しています。ただし、そのためには適切な準備と時間が必要です。今後、こうした変更が近づいた際には、早い段階から十分な情報をお伝えしていきます。

Fulcrum ONE、Driveflexを含む現在のFulcrum製品は、今後も提供され続けますか?

はい。Fulcrumの製品ラインアップとソフトウェアは今後も継続され、これらに対するサポート体制にも変更はありません。

現在、Fulcrumの経営は誰が担っていますか?

Fulcrumは、Bose Professionalの一員として独立した組織体制を維持しながら、両社の組織をどのように最適な形で連携させていくかを、これから共に検討していきます。日々の業務においては、これまでと変わらずFulcrumのチームとお付き合いいただけます。その一方で、今後はBose Professionalの新たなメンバーとも連携する機会が増えていきます。

来年、Bose Professionalが802 LABSになると、何が変わりますか?

802 LABSへの移行は、2027年2月に行われます。そして、そのタイミングはまさに最適です。802 LABSは、私たちが築いてきた新しいBose Professionalと、Fulcrumが最も得意とするすべてを一つに結集します。ひとつの企業、ひとつの包括的な製品ラインアップとして、商業施設向けから高性能なパフォーマンス領域まで、エレクトロニクス製品からスピーカーまで、現場で使う人々の事を考え設計されたソリューションを提供していきます。

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