設計から設定までの手順をご紹介
Bose Professional MSA12Xをご購入いただいた方も、購入をご検討中の方にもお役立ていただける、設計から設置までの手順をご紹介するページです。
このページは、初めのスタートガイドとしてご利用ください。各セクションごとに順を追って、MSA12X システムの導入フローを説明しています。
まず、MSA Design Toolのレビューと、それを使ってどのようにオーディエンスエリアに最適なカバレージを提供できるかについて説明します。続いて、MSA12Xの同梱物について説明します。次に、現場での作業時間を短縮するために必要な設置前の手順について説明します。アレイの組み立てと設置の事例を紹介し、最後にControlSpace Designerをどのように活用してコンフィギュレーションを調整するかを説明します。
それでは、MSA12Xを存分にご活用ください。
デザイン
MSA Design Tool
Bose Professional Array Toolソフトウェアで、空間に応じた最適な設計を短時間で作成します。デザイナーはシステムの設計を迅速かつ正確に行うことができます。直感的なインターフェースとわかりやすいワークフローで、最小限のトレーニングで使用が可能です。ダイレクトフィールドの演算エンジンを採用し、空間のニーズに適したスピーカーモデルや、設置場所、カバレージ構成を迅速にテストできます。
デザインガイド
MSA12Xシステムの設計と導入の参考にできるオフラインのリソースをご希望の場合は、こちらのPDFガイドをご覧ください。または、引き続きこのページを参照しながら導入を進めてください。
ここからは、Bose Professional Array Toolを使用して会場をモデル化し、MSA12Xスピーカーのカバレージを最適化する例を説明します。この例では、2モジュールのアレイをペア(左右)で使用し、講演向けにメインフロアとバルコニーをカバーするよう構成します。
会場のモデル化
手順1: Bose Professional Array Toolを起動し、プロジェクト設定を指定します。準備ができたら、「Continue(続行) 」をクリックします。
注: デフォルトの耳の高さは、着席した観客に適した1 mに設定されています。この値は会場のモデルによって変更することができます。
講堂: 立面図
講堂: 平面図
次に、MSA12Xモジュールを設置する音響空間の2Dモデルを作成します。これには、会場の平面図や立面図などの図面に記載されている数値、または現地で実測した数値を使用します。この例ではステージ、メインフロア、バルコニーの3つの「Surface」(面)をモデル化します。
手順2: デフォルトでは、面が1つの状態から始めます。「Surface Properties」(面のプロパティ)パネルに値を入力するか、「Plan View」(平面図)や「Side View」(側面図)でマウスを使用して点を調整します。
注: Ear Height(耳の高さ)は「Surface Properties」(面のプロパティ)パネルで調整でき、「Side View」(側面図)に破線で表示されます。この例では、ステージは耳の高さを1.75 mとしています。
ステップ 3: サーフェスをダブルクリックし、適切な名前を付けます。サーフェスの名前を変更したらEnter キーを押します。
ステップ4:[新しいサーフェスを追加]ボタンをクリックし、ステップ2と3を繰り返します。会場の各エリアがモデル化されるまで、これらのステップを繰り返します。
ステップ5:この時点で、作業を保存しておくとよいでしょう。Ctrl-SでSave Projectウィンドウが表示されます。
スピーカーの位置とカバレージの最適化
手順1: Speaker/Analysis(スピーカー/分析)タブをクリックし、Add a New Loudspeaker (新規スピーカーを追加)ボタンをクリックします。アレイをダブルクリックして名前を変更します。アレイの名前を変更したら、Enterを押します。
注:この例では、左右のアレイで構成されるシステムを使用します。最初のアレイを構成したら、先に一方のアレイのカバレージを最適化し、それを標準的なキーボードショートカットでもう一方のアレイにコピー&ペーストします。
手順2:アレイの位置を調整します。「Array Properties」(アレイのプロパティ)パネルの Array Position(アレイの位置)セクションに値を入力するか、「Plan View」(平面図)や「Side View」(側面図)でマウスを使用してアレイの位置を調整します。
注: Zは TOP(天)、CTR(中央)、BTM(低)の各軸で構成されています。「TOP」(天)は会場に設置されたアレイ天面のZ軸、「CTR」(中央)はアレイの中央点のZ軸、「BTM」(底)はアレイ底面のZ軸です。指定する必要があるのはどれか1つだけです。
「Pitch」(ピッチ)は、MSA12Xを傾斜した面上に設置する場合に限ってモデル化できます。同梱の取り付け金具は垂直方向の角度には対応していませんが、オプションの水平ブラケットを使用すると、±6°刻み12~90°の間でアレイをしっかり固定できます。同梱の水平ブラケットを使用する予定の場合は、ここで「Yaw」(水平)角も指定できます。
手順3: Array Configuration(アレイ構成)セクションで、1つのアレイでモジュールをいくつ使うかを指定し、ビームが「Single」(シングル)か「Dual」(デュアル)かを選択します。この例ではデュアルビームを使用して、メインフロアとバルコニーの両方をカバレージに含めます。
注:会場内の他のスピーカーの位置との兼ね合いでアレイのタイムアライメントを取る場合は、「Delay」(ディレイ)を使用できます。
手順4:「Main」(メイン)ビームと「2nd」(セカンド)ビームの両方に望ましいビーム形状を選択します。シングルビームの場合、選択肢は1つだけです。
注:注:この例では、「Main Floor」と「Balcony」のどちらにも、「Steer/Spread」(ステア/スプレッド)または「Raked Floor」(傾斜フロア)を使用できます。いろいろな構成を試し、会場に最適なサウンドを見つけてください。
ヒント:マウスホイールを使用すると、「Plan View」(平面図)や「Side View」(側面図)のズームイン/アウトができます。Ctrlキーを押しながら左クリックすると、パンできます。
ここからは、ビームの形状とのその定義について説明します。
手順5:Beam Shape(ビーム形状)のプロパティを調整します。値を「Array Properties」(アレイのプロパティ)の「Beam Shape 」(ビーム形状)に入力するか、「Side View」(側面図)でマウスを使ってハンドルを操作して「Top Throw」(投射範囲(上))と「Bottom Throw」(投射範囲(下))を調整します(図を参照)。この例では、まずメインビームがメインフロアに、セカンドビームがバルコニーに向けられています。
注: 会場によっては、最初から他のビーム形状アルゴリズムを選ぶこともできます。
デフォルトで、アレイの「Gain」(ゲイン)初期値は0 dBに設定されています。これは1 Wに相当します。 SPLマップの表示に移る前に、「Set Max Gain」(最大ゲインを設定)機能を呼び出すことをお勧めします。
手順6: アレイを選択したら、「Set Max Gain」(最大ゲインを設定)ボタンを押します。「Array Configuration」(アレイの構成)の「Gain」(ゲイン)パラメーターの変化に注目してください。
「Sound Pressure Level (SPL) Map」(音圧レベル(SPL)マップ)オプションは、会場におけるダイレクトフィールドカバレージを、アレイ配置とビーム形状のさまざまな構成に対して視覚化します。ダイレクトフィールドカバレージはスピーカーと観客との間の直接的なパスの記述で、反射や残響の影響は加味されません。SPL値はdB単位でグラフィック表示右端のカラースケール上にマッピングされます。
手順7: 「SPL Mode」(SPLモード)で、解像度を「High」(高)に変更し、「Auto-adjust」(自動調節)を無効にします。
「High」(高)に設定すると、SPLマップのデータの解像度が最も細かく、色のグラデーションが最も滑らかになります。
「Auto-adjust」(自動調整)がオンに設定されると、グラフィック表示されるSPL値の範囲、カラースケールの範囲、SPLの上下限値が、データに指定されている範囲の変更に応じて自動的および連続的に調整されます。これをオンのままにしておくと、「Upper SPL」(SPLの上限)と「Lower SPL」(SPLの下限)の値が、アレイに調整を加えるたびに変更されます
「Upper SPL」(SPLの上限)と「Lower SPL」(SPLの下限)の値はデフォルトでそれぞれ112 dBおよび80 dBと非常に幅が広く、SPLマップの解釈が難しくなることがあります。上下限の差が10~20 dBの場合に、より優れた結果を得られます。
手順8 :カラースケールのスライダーのハンドルを動かすか、「Upper SPL」(SPLの上限)および「Lower SPL」(SPLの下限)フィールドに値を入力します。
この例のような場合、オーバーラップするエリアがあると、平面図を見ても下階の状況がわかりにくいことがあります。
手順 9:Venue(会場)タブでバルコニーの表示を無効にし、「Speakers/Analysis」(スピーカー/分析)タブに戻ります。必要に応じて、SPLのプロパティのパネルに調整を加えます。上下のスライダーの間をクリックすると、同じデータを維持しながら、全体の範囲を調整できます。
平面図では、選択されているアレイにかかわらず、会場全体のカバレージが表示されます。側面図では、選択されているアレイのカバレージだけが表示されます。アレイが選択されていない場合は、デフォルトで側面図のカバレージが会場の中心軸になります。
手順10: アレイの選択を解除して、会場の中心軸におけるカバレージの結果を表示します。
手順11: 最初のアレイのカバレージに満足したら、Ctrl+C/Ctrl+Vキーを使用し、コピーを作成して貼り付けます。アレイの名前を変更し、目的の位置へ動かします。
手順12: Recalculate(再計算)ボタンをクリックして、更新された結果を表示します。必要に応じてカラースケールを調整します。この例では、スピーカーからの上下限範囲の中間値が88 dBであることがわかります。
開梱
MSA12Xの付属品をご覧ください。
同梱物
プリインストール
MSA12Xの付属品をご覧ください。
推奨ソフトウェアおよびハードウェア
ネットワークの初期設定
MSA12XのDanteファームウェアのアップデート
ControlSpaceファームウェアのアップデート
接続、初期設定、ラベル付け
配線と取り付け
テスト
MSA12Xは、1人または複数の設置者による設置が可能です。複数の設置者による方法では、地面にアレイを構築し、取り付けられたウォールブラケットにアセンブリ全体を取り付ける必要があります。
複数の(2-3)インストーラを使用する場合に最良の結果が得られるので、このセクションではそれに焦点を当てます。シングルインストーラーの方法については、MSA12X設置ガイド を参照してください。
注意
- 各 MSA12X モジュールの重量は 14.5 kg です。けがやスピーカーの損傷を防ぐため、持ち上げるときは注意してください。
- グリル面を下にしてMSA12Xを置かないでください。
- MSA12Xを壁のくぼみに取り付ける場合は、アレイの上部と下部に0.3 m以上の空間を確保してください。
スピーカーの設置
設定
DSPとMSA12Xを関連付ける
入力設定の調整
ビーム設定の送信
ビームのゲインとイコライザーを調整する
ビームプリセット
パワーオンステート
ビームプリセットをパラメーターセットに割り当てる
最後の手順