プロジェクトについて
Bose ProfessionalとHansabが実現した、テクノロジーが創る唯一無二のウェルネス体験
バルト海からわずか500mに位置する「Gradiali Palanga」は、リトアニアを代表するウェルネス&リラクゼーション施設のひとつ。2025年には、プールとサウナを新たに増設し、静かな癒やしの時間を提供するだけでなく、音響・映像・照明・演出が一体となった没入型イベントにも対応できる空間として設計されました。訪れる人々は、五感を刺激するこれまでにないウェルネス体験を楽しむことができます。
この新エリアは、大型の高解像度LEDスクリーン、没入感のあるサウンド、演出照明、そして統合制御システムを融合した、リトアニア初のプール・サウナ施設として構想。快適さを損なうことなく、テクノロジーによって体験をさらに高めることを目指し、これまでにないウェルネス空間を実現しています。
課題:過酷な環境で実現する没入体験
プール・サウナエリアは、既存施設に増設された新たなエリアであったため、システムはゼロから設計・構築する必要がありました。自由度がある一方で、すべての設備・システムが高湿度環境かつ反響の多いプールでも、安定して機能することが求められました。
Gradialiが目指したのは、ゲストが驚くような五感を刺激する没入体験と、スパならではの静けさや癒やしの両立です。そのため音響システムには、通常時は明瞭で快適なサウンドを提供しながら、イベント時には十分な音圧にも対応できる柔軟性が求められました。また、スタッフが簡単に操作できることも重要な要件でした。
Gradialiのマーケティングマネージャー、Eglė Plesevičiūtė氏は次のように語ります。「Gradialiでは、ゲストに『来てよかった』『また来たい』と思っていただけるよう、常に新しいアイデアに挑戦しています。今回目指したのは、リトアニアで唯一無二のプール・サウナエリアです。大型スクリーンを活用した映像表現でゲストに驚きと感動を届けたいと考えました。」
ソリューション:音響シミュレーションと統合システム
プールのような高湿度かつ反射の多い環境では、音をいかにコントロールできるかが音響品質を左右します。Gradialiが求めたのは、快適な音量で明瞭かつ均一なサウンドを提供し、リラクゼーション体験を高めながらも、イベントや特別プログラムにも柔軟に対応できる音響システムでした。
Hansabは、プールやスパ施設のような音響的に厳しい環境での豊富な実績と高い信頼性を評価し、Bose Professionalを採用しました。重視したのは単なる音圧ではなく、明瞭度やバランス、そして長時間でも心地よく聴ける快適な音環境です。
Plesevičiūtė氏は次のように語ります。 「音も映像と同じで、感じ方を左右する重要な要素です。だからこそ私たちは、映像、上質なサウンド、そして照明が一体となって機能するスパ空間をつくりたいと考えました。ゲストに忘れられない体験を提供したいのです。」
Hansabは、Bose ProfessionalのModelerとAuditionerを活用し、施工前の段階から音響シミュレーションと検証を実施。Auditionerにより、完成後の音の聞こえ方を事前に確認できたため、残響による課題を早期に把握し改善できました。その結果、計画段階から明瞭度と音質バランスに優れた音環境を実現できたのです。
さらに、音響システムは、LEDウォール、照明、フォグ・水演出と連携し、五感で楽しめる没入体験を実現。これらのシステムは単一のインターフェースで一元管理できるため、演出全体をシームレスに同期させることが可能です。
メインホールから周辺エリアまで最適化
メインプールホールには、広範囲に均一に音を届け、長時間でも聴き疲れしにくいよう配慮したシステムを導入。メインスピーカーにはArenaMatch Utility AMU208、サブウーファーにはMB210-WRを採用し、日常のBGM再生からイベント演出まで対応できる、豊かでバランスの取れたサウンドを実現しています。音響制御にはControlSpace EX-1280 DSPと、柔軟なパワーアンプを組み合わせ、安定した運用と高い拡張性を確保しています。
メインホール以外にも、通路や周辺エリアを含む施設内の各ゾーンには、AMU105、DesignMax、FreeSpaceを適所に配置。これにより、施設全体で一貫した音質と均一な音響カバレージを実現。音響設備の存在を意識させることなく、スパに自然に溶け込む音響システムを構築しています。
Hansabが支える、シームレスなウェルネス体験
Hansabは本プロジェクトのテクノロジーパートナーとして、音響、LEDウォール、照明、フォグ演出、統合制御システムまでを含むすべての設備の設計・構築を担当。各システムをひとつのプラットフォーム上で連携させることで、空間全体をシームレスにつなぐ統合的な体験環境を実現しています。
すべての設備は、高湿度のプール環境でも安定運用できるよう最適化されており、高い耐久性と信頼性を確保。またHansabは、音響、映像、照明、水景演出、シーンプリセットをタブレットや壁面パネルから簡単に操作できる専用のコントロールインターフェースを開発。専門知識がないスタッフでも直感的に運用できる環境を実現しました。
Hansabは、個別のシステムを組み合わせるのではなく、音響、映像、照明、制御を統合し連携させることで、シームレスで一体感のある空間体験を実現しています。
Hansab UABのCEO、Darius Žekonis氏は次のように語ります。 「このプロジェクトにおいて、テクノロジーは単なる機能ではありません。音、映像、照明はゲスト体験の一部となるのです。」
期待を上回る結果
オープン以来、新設されたプール・サウナエリアは、日常利用のゲストから特別イベントまで幅広いシーンで期待を上回る成果を上げています。サウンドは明瞭かつ均一で、快適な環境を維持しながら、映像や照明は穏やかさを損なうことなく演出効果を高めています。また、空間全体の演出は簡単かつスムーズに切り替えられます。
「一番の価値は、新しい可能性に一緒に挑戦してくれるクライアントと仕事ができることだと思います」とŽekonis氏は語ります。「その結果として、ウェルネス体験のあり方そのものを変えるような空間が生まれました。驚きがあって、インスピレーションを与えて、記憶に残る。そんな空間づくりに関われたことをとても誇りに思っています。」
設計シミュレーション、綿密なシステム統合、そして密接な協業により、Gradialiの新たなプール・サウナは、音響的に厳しい環境であっても、適切に設計されたテクノロジーがウェルネス体験を高められることを示しました。
システムコンポーネント:
- ArenaMatch Utility AMU208スピーカー14台
(メインホール内の12席を含む) - MB210-WRサブウーファー10台
- ArenaMatch Utility AMU105スピーカー3台
- DesignMax DM6SEスピーカー4台
(2組) - FreeSpace FS4CEスピーカー8台
- ControlSpace EX-1280プロセッサ1台
- ControlSpace EX-4MLマイク/ラインエンドポイント2個
- PowerShareX PSX2404Dパワーアンプ4台
- PowerShareX PSX4804Dパワーアンプ3台
- PowerShare PS404Dパワーアンプ1台
- PowerSpace P4300+パワーアンプ1台